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[Music Essay] 真空管アンプとアンプシュミレーター

エレクトリック・ギターは真空管アンプにつなげたいけれど・・・

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デジタル技術の進歩により、身近なiPhoneでも作曲できるようになり、世界中で新たなミュージシャンが生まれているようだ。筆者もご多分に漏れずデジタル大好き人間であるので、音楽制作にはDAW、オーディオインターフェースとプラグインでMarshallやFriedmanのギターアンプを鳴らしている。

一昔前の話になるが、ギター、ベース用機材「アンプシュミレーター」の登場は、当時、私の消費意欲を刺激したのだった。発売当時早速購入。宅録に重宝したわけだが、当初は発音の遅延、いわゆるレイテンシーが課題となっていた。最新のデジタル機材ではそのズレを感じなくなっている点、ユーザーの欲はその音質に向かうのだ。最新の機材はネーミングも多様で、エミュレータ、アンプモデリングなど高音質化、多機能化している点は魅力的だ。

インターネット黎明期のモデム通信から光ファイバー網によるギガ通信への進化と同様に、デジタル楽器、音楽機材に関する技術も飛躍的な進歩を遂げた。ハード音源がなくてもソフトウェア音源で解像度の高い音を出せるようになり、鍵盤系のサウンドは遂にここまで来たかという印象だ。一方でギター、ベース、ヴァイオリンなど弦楽器や管楽器のデジタル音源(DTMで音源としてMIDIで鳴らす)は物足りない気がしていたが、ギターに関して言えば、あるギター音源のプロモーション動画を見たところ、最新のテクノロジーにより、かなり本物に近いサウンドになっていた。

ギターやヴァイオリンなどの生楽器の本質的な良さは何だろう。エレクトリック・ギターの場合、弦をつま弾いた時の弦振動は、アンプにつないでいない状態でもその音の良さがわかる。ボディとネックの鳴り、エレクトリックであっても、まさにこれが「生音・原音」なのだと思う。筆者のValley Arts Guitarは、生音が大きいのでそう感じるのだ。まぁ、アンプやイフェクターのディストーションでゴリゴリに歪ませると、原音の響きも分からなくなるかもしれないが。アナログな真空管アンプは、その原音をチューブによって温かみのある音に変換してくれるかもしれない、という期待値が高いのだ。

 そうは言っても、最新のテクノロジー搭載のアンプシュミレーターは、ライブでの重いギターアンプの運搬、トーン設定などを考慮するとメリットが多くあるため、利便性が高いし、宅録時にもライン入力で使えるため、欲しいデバイスとなる。

 アナログとデジタルの折衷案も考えられる。上記デジタル機材と併用して極上の真空管アンプヘッドにロードボックスを接続し、スピーカー・モデリングを使って、アンプをフルテンに近い状態で音出しをする。アンプシュミレーターでデジタル処理したギターサウンドとアンプヘッド実機を通したサウンドのミキシングはこれまでにない新たなサウンドとして面白いのではないだろうか。

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