[Music Essay] Fender ‘55 Tweed DeluxeをDAW 「Pro Tools」で使う | UAD2 Audio Plugin

ドライ音とプラグインのアンプサウンドを同時録音したい

2024年08月29日

Universal Audio プラグイン、Fender ‘55 Tweed DeluxeとAvid ProToolsを使い、ドライ音とプラグインのアンプサウンドを同時録音する設定を備忘録としてまとめた。

以前の記事「Universal Audio : Fender ‘55 Tweed Deluxe リアンピングによるサウンド比較（歪み編）」では、この作業で出力したリアンピング後のオーディオファイルをアップしているので、音自体についてはそちらをご視聴いただきたい。記事ページはこちら

【使用環境】
Universal Audio Apollo 8 Duo + UAD2 Satellite QUAD
DAW：Pro Tools
イフェクトにUADプラグイン「Real Verb」を使用

【Apollo Console設定】
・Apollo: 「インピーダンスの相互作用を保ったままライブでステレオモニタリング」
※Hookup社「Fender ‘55 Tweed Deluxe プラグイン」マニュアルを基に設定（PDFへのリンクはこちら）

【何をしたいのか】
・Apollo Hi-Z インプットにギターを接続し、ギターのドライ音とプラグインのアンプサウンドを同時に録音したい。
・録音した1つのドライ音をソースにし、プラグイン内の複数のプリセットを変更してアンプサウンドを録音したい。（いわゆるリアンプ作業）

【ドライ音とアンプサウンドを録音するためのApollo Console設定】
Apollo Console内に2つの「Fender ‘55 Tweed Deluxe プラグイン」を設定する点がポイントとなる。詳細は上記Hookup社マニュアルをご参照いただきたい。

Apollo Hi-Z（ANALOG 1）のプラグインにFender ‘55 Tweed Deluxeを設定（画像内、左上の赤枠参照）
プラグイン・インターフェイス内のアンプ ON/OFF スイッチを OFF にする（ことでドライ音を録音できるようにする）
アンプ ON/OFF スイッチを OFF に変更するとアンプのパワーランプが消灯するが、インピーダンスの相互作用は有効になったままになる。（Hookup社「Fender ‘55 Tweed Deluxe プラグイン」マニュアルから引用）
ANALOG 1、SENDS内AUX1の値をマックスに設定する。（※画像内黄色枠参照）
ANALOG 1のConsole上の出力はMUTEしておく。（※画像内青色枠参照）
AUX1内INSERTSにFender ‘55 Tweed Deluxeを設定しプリセットなどアンプの設定を行う（ことでアンプサウンドを録音できるようにする）（※画像内、右上の赤枠参照）
AUX1を「PRE」に設定しておく。（※画像内、右下の赤枠参照）

【ギターのピックアップについて】

ギターがアクティブピックアップの場合は、プラグイン内LINE／NORMALの内、「LINE」を選択しておいた（ユーザーの好みでどちらか選択してほしい）（Fenderプラグイン画像内赤枠参照）
上記1の設定を保存する場合は、RENAMEにて保存しておく。（画像内、左上の赤枠参照）

【ドライ音とアンプサウンドを録音するためのPro Tools設定】

Pro Tools内にオーディオトラック：E-guitar-dry（モノラル）を作成
Pro Tools内にオーディオトラック:E-guitar-Stereo（ステレオ）を作成。
その際、オーディオ入力にAUX1 L/Rを選択し、Console内AUX1の出力からの信号を録音できるようにしておく。（画像内、赤枠参照）
ドライ音とアンプサウンドを同時録音するために、各トラックの録音ボタンをオンにし、レコーディングを行う。両トラックともにMuteしておく。（画像内、黄色枠参照）

【リアンプのためのPro Tools とConsoleの設定】

Pro Tools内E-guitar-dry（モノラル）のOUTPUTをVIRTUAL 1/2に設定する。
Apollo Console内Virtual 1とVirtual 2のSENDS to AUX1の値を設定する。図の場合はマックスにしている。これによりPro Tools側からのドライ音（信号）をConsole内AUX 1に送ることで、ステレオの状態でアンプサウンドの出力が可能となる。

ドライ音は元々モノラルファイルのため、それをリアンプ用に再利用した場合、Console上ではアンプ内のバーチャルな2つのマイク音はミックスされた状態になってしまう。結果としてリアンプ設定の場合、Virtual 1とVirtual 2を設定した場合ステレオにはなるが、AUX1のL/Rは同じ音（信号）になる。